大網白里市にて素晴らしい展示を拝見することができました。


THE KAZUSAさん主催の「上総木綿・大矢織物を知ろう」。
これは外房に住まう我々としては是非見ておきたい展示会です。
なぜなら我々外房人がここで暮らしていくことができている、その礎を教えてくれる展示と言っても過言ではないからです。
江戸時代から昭和初期にかけて外房一帯を潤したのは他でもないイワシでした。
イワシは庶民の着物の原料となる木綿や麻の肥料(干鰯/ほしか)として関西へ輸出されました。九十九里から南北にかけて外房はイワシの巨大な漁場だったのです。
各地の網元はイワシ御殿と呼ばれるほどの富を得て、江戸から文人墨客を呼び寄せパトロンとなり、文化の発展にも寄与しました。
更に木綿の需要が高まると九十九里一帯でも木綿織物生産が始まり、農漁業不良期を支える産業としても大いに栄えたのです。
そんな時代背景を静かに語る、それが大矢織物であり、この地唯一の織元でもあるのです。そう、最後の生き証人です。
今回の展示は、ここを最後にしないためのシンポジウムでもあるのです。





行ける方は先ず見て欲しい。
そして主催の方から話を聞いて欲しい。



ここの隆盛はもしかしたらあなたと繋がっているかもしれないのです。
干鰯(イワシ)という産物が木綿という衣を生み出し、それが売れることで食を得、住まいが成り立つ。
房州にはそんな強力な循環があったのです。
正に千葉県民のアイデンティティ。
これは千葉県民のアイデンティティを知る展示でもあります。大人子ども問わず行くことをお勧め致します。織物の体験ができます。
明日が最終日となります。
是非ご覧になってみてください。
「上総木綿・大矢織物を知ろう」
1月21日(日) 10:00〜15:00
場所:大矢織物工場(大網白里市北今泉1295)
展示:イワシ文化としての上総木綿
大矢織物の歴史、上総木綿の昔と今
実演:自動織機の稼働
その他:手織り体験、農海産物の販売、藍染製品、木工や各種クラフト販売など
問合せ:THE KAZUSA
090-8040-6984