福田真木子(ふくだまきこ) ガラス

硝子屋福さんの工房にお邪魔しました。

福田さんはワイングラス作りの真っ最中。 何でも今度始まる東京での展示会に出品する作品を作っているのだとか。 ニ人で分業すれば5分もあれば仕上がる作業も一人だと2.5倍は掛かります。 それでも手際良く、本体・足・台座を流れるような作業で仕上げていきます。ガラスの種をつけた竿がくるくる回りながら息を吹き込まれ、成形用の箸で形を整えられ、どろっとした塊だったガラスが一つの雑器に生まれ変わる。 素早く動く手、無駄なく動く道具。 静寂の中に手と道具の動く音だけが響き渡り、張り詰めた時が流れます。

 福田さんの作品はしなやかさと繊細さがありながらどことなくユーモラスな雰囲気が漂います。 福田さんは東京藝術大学在学中、陶芸科に所属するも在学中に能登島ガラス研究所で吹きガラスにふれ、九十九里町の菅原工芸硝子株式会社に入社。吹きガラス職人として11年間従事した後独立、2007年千葉県に硝子屋福としてアトリエを構え、今年で8年が経ちました。

作品が出来上がった後の安堵とおしゃべり。 作っている最中とは打って変わった雰囲気が流れます。  この作業を見れば、こんなグラスで飲むワインはおいしいだろうなと想像するのは難しくありません。

近隣に素晴らしい作り手さんがいらっしゃることは豊かで尊い。 是非地域に根差して長く続いてほしい手仕事です。

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