本日開店しております。
私は子供の頃、本当にこの家によく遊びに来ました。
もう、30年から40年前近くのことになります。
子供の頃は、この家から電車で三時間半乗る場所に住んでいたので、電車に乗ってこの家に向かっている時、とても嬉しかったのを覚えています。特に外房線に入ってくる頃、駅のホームにソテツが植わっているのが目に入ったときなどは、「千葉に来たぞ!」とコーフンしたものです。
だいたいは夕方に到着したので、ここに着くと、夕飯の支度が整うまで、商店街の町歩きです。
本屋、雑貨屋、服屋、インベーダーゲームのある食事処、子供心ながらわくわくしたのを覚えています。
家に帰れば、土鍋で炊いたご飯の匂い、魚屋の刺身。旨かった。
朝起きたら朝市に行き、沢山の人の間を縫って焼きたてのきんつば(この地域ではこぶりな大判焼きのことをきんつばと言う)を買いに行くことが楽しみでした。
海に出掛けては波遊び(波打ち際にただ立っていると、波が足元の砂をすくうため体が移動している感覚になる遊び)をし、海の家でかき氷を食べ、蚊の飛び交う部屋で蚊帳を吊っては昼寝をする、全くもって昭和的な日々を過ごしたのです。
店に一人佇んでいると、畳の居間から見る縁側やガラス窓、柱や建具が当時と何ら変わらず、いつ来ても心地良いです。
掃除しようと言う気になります。
大切に使おうと言う気になります。
また来ようと言う気になります。
勝手にそのような気持ちになるのです。