ご来場御礼

最首さんは、仕事に真っ直ぐで、職人として本当に木に向かい合って来た方なのだとつくづく思います。

古い家に入ると建具が気になる。
蕎麦屋に行ったら、そこの建具が気になる。
建築物を見ると何の素材でできているのか気になる。

木の性質が知りたい、先人の木組みの知恵を知りたい、そして自分で作りたい。

「こんな、冗談も言えねえ人間なんか、話したって面白くないんですよ。」
自分自身をPRするのが大嫌い。

「自分で納得できないものをお客さんに売ることなんてできませんよ。」
「昔は組子ができて『建具屋』と言われたんです、できない者はただの『戸屋』と言われてバカにされたんです。だから一生懸命組子を覚えました。」
「ウソがつけないからバカなんです。」
あふれ出す言葉は自身のPRではなく、職人としての想い。

15歳で建具の世界に入ってから、建具一筋。成人する前には組子もできるようになった。
職人はしゃべる前に手を動かせと教わったものだから、おしゃべりは苦手。
木と木の継ぎ方への思いが転じてパズル製作にのめり込んだ。
寄木細工のニカワの使い方が知りたくて、箱根へ行って体験をさせてもらったら、そこではボンドを使っていて、がっかりしてすぐに帰ってきた。
建具の知識が余りにもない現場監督に腹が立って喧嘩をし、お金を貰わずに帰った。

冗談なんてなくていい。
おしゃべりが下手だっていい。
これからも、もっともっと話しを聞かせてもらいたい。

良品計画イベント、旧老川小学校での組子体験会にて。
ご来場くださいましたお客様、本当にありがとうございました。

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